変形性股関節症
股関節は人体の中で最も荷重のかかる関節です。それゆえ、負担のかかり方も非常に大きくなります。
股関節に痛みが出る症状は大きく分けて2種類です。
まず股関節事態に問題がある症状と股関節以外に問題がある症状です。股関節以外に問題があるものは大抵腰の影響が考えられます。股関節の症状で特に注意しなくてはいけないのが、変形性股関節症です。
変形性股関節症の症状について
最初に感じるのは股関節の痛み
痛みは初期段階では軽度で断続的ですが、進行するにつれて慢性的になり、日常的な活動が制限されることがあります。特に動き始めたときや長時間座った後に立ち上がる際に痛みが強くなります。痛みは股関節そのものだけでなく、臀部や大腿部、膝にまで広がることもあります。
股関節のこわばりや可動域の制限
次に、股関節のこわばりや可動域の制限が現れます。特に朝起きたときや長時間同じ姿勢でいた後に、股関節が硬く感じることがあります。進行するにつれて、股関節の動きが制限され、脚を開いたり、内側に回す動作が難しくなることがあります。
歩行困難
歩行が困難になることも一般的です。歩行時に股関節の痛みや不快感が増し、歩行速度が遅くなったり、歩幅が狭くなったりします。時には、歩行中に「ガクガクする」感覚や股関節の不安定感を感じることがあります。これにより、歩行のバランスが崩れ、転倒のリスクが増加します。
股関節の変形
股関節の変形が進むと、脚の長さに違いが生じることがあります。片方の股関節が変形すると、その側の脚が短くなることがあります。これにより、歩行がさらに困難になり、他の関節や筋肉にも負担がかかることがあります。
また、股関節の変形が進行すると、関節の可動域がさらに制限され、日常生活の様々な動作が困難になります。座ったり立ち上がったりする動作、階段の上り下り、靴下を履くといった日常的な活動が制約され、生活の質が低下します。
進行した変形性股関節症では、関節内で骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の突起が形成されることがあります。これらの骨棘が関節内で摩擦を引き起こし、痛みやさらなる炎症を引き起こすことがあります。
変形性股関節症の原因について
変形性股関節症の原因は多岐にわたります。主な原因としては以下のようなものがあります。
加齢
加齢により股関節の軟骨が自然に摩耗し、弾力性を失うことが主な原因の一つです。これは、体重を支える股関節にかかる長年の負荷によるものです。
遺伝的要因
家族に変形性股関節症の患者がいる場合、遺伝的にこの疾患を発症しやすい傾向があります。股関節の形状や構造の異常が遺伝することもあります。
先天的な股関節の異常
発育性股関節形成不全(DDH)などの先天的な股関節の異常は、変形性股関節症のリスクを高めます。この異常により、股関節の適切な発育が妨げられ、後に関節が変形しやすくなります。
過体重・肥満
体重が股関節にかかる負荷を増加させ、軟骨の摩耗を加速させるため、過体重や肥満は変形性股関節症のリスクを高めます。
外傷
股関節の外傷や骨折は、関節内の軟骨に損傷を与え、変形性股関節症の原因となることがあります。これにより、関節の正常な機能が損なわれ、長期的に関節が変形しやすくなります。
繰り返しのストレス
スポーツや職業で股関節に繰り返し負荷をかける活動を行うことも、変形性股関節症のリスクを高めます。特に高強度の運動や重労働がこれに該当します。
これらの要因が複合的に作用し、股関節の軟骨が摩耗して変形性股関節症が進行します。適切な管理と治療が行われないと、症状が悪化し、生活の質に重大な影響を及ぼすことがあります。
当院では、痛みはどの筋肉が影響していて、関節の角度はどのようになっているかなど、細かく観察して皆様に合った最適な治療を提案していきます。
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